火垂るの墓が放送禁止になった理由はなぜなのか?原因はあの残酷すぎるシーンか。

8月15日。終戦記念日ですね。

私が子どもの頃は、この時期、戦争関連のドラマや映画が多くとりあげられていました。

その代表作が、「火垂るの墓」です。

しかし、ここ数年は金曜ロードショーで放送されることもなく、どんな話だったか、記憶が薄れてしまっている人もいるのではないでしょうか?

ましてや、この作品を見たことがない、知らないという子どもたちのほうが多いはずです。

なぜ火垂るの墓は放送されなくなったのか。

その理由をリサーチしてみました。

目次

火垂るの墓 あらすじ

『火垂るの墓』は、野坂昭如による同名の小説を原作としたアニメ映画で、太平洋戦争中の日本を舞台に、戦争の悲惨さと家族の絆を描いています。物語は、主人公の清太とその妹、節子の二人が戦争の影響で家族を失い、困難な状況下で生き延びようとする様子を描いています。

あらすじ
1945年、神戸。アメリカ軍の空襲によって街は焼け野原と化し、清太と節子は母親を失います。二人は最初、親戚の家に身を寄せますが、次第に居心地が悪くなり、自分たちだけで生活することを決意します。

二人は郊外の防空壕を住処にし、限られた食糧や物資で日々を生き抜こうとしますが、食糧不足や病気が二人を襲います。特に幼い節子は栄養失調が進行し、次第に衰弱していきます。清太は妹を守ろうと懸命に努力しますが、やがて力尽きてしまいます。

物語は、清太が駅の待合室で亡くなり、その遺品の中から節子の形見であるキャンディの缶が見つかるシーンで終わります。キャンディの缶には、節子が生きていた証が詰まっており、彼らが経験した戦争の悲劇と無念が胸に響くラストとなります。

『火垂るの墓』は、戦争の悲惨さや子供たちの無力さを強烈に描き出した作品であり、その衝撃的な内容は多くの人々に深い感動と考えさせるものを残しました。

心に残る名シーン

『火垂るの墓』には、心に深く残る名シーンがいくつもありますが、その中でも特に印象的なシーンをいくつか紹介します。

  1. 空襲のシーン
    物語の冒頭、神戸に空襲があり、清太と節子が必死に逃げる場面があります。このシーンは、戦争の恐怖と混乱がリアルに描かれており、戦争の悲惨さを視覚的に伝える強烈な場面です。
  2. 節子の病気が進行するシーン
    節子が栄養失調で衰弱していく様子が描かれるシーンは、見る者の心を締め付けます。特に、節子が病気で元気を失い、清太が彼女を励まそうとするシーンは、兄妹の強い絆と、戦争がもたらす悲劇を象徴しています。
  3. ホタルを放つシーン
    清太と節子が防空壕で暮らし始めた頃、二人はホタルを捕まえて、夜の暗い壕を照らすために放つシーンがあります。このホタルの光は、暗闇の中で希望を見出そうとする二人の純粋な心を象徴しています。しかし、翌朝にはホタルが死んでしまい、節子がその死骸を墓に埋める場面は、彼らの運命を暗示するようで、非常に悲しいシーンです。
  4. 節子の最後の瞬間
    物語の終盤、節子が弱りきって、おにぎりの幻覚を見ながら「お母さん、会いたい」と呟くシーンは、最も心を打たれる場面の一つです。兄である清太が全力を尽くしても、彼女を救うことができなかった無力感が痛切に伝わってきます。
  5. 清太の死とラストシーン
    物語の最後、清太が駅で力尽きるシーンは、物語全体の悲劇的な結末を象徴しています。その後、二人の魂が再会し、昔の思い出の中で寄り添う姿が描かれ、戦争によって失われた命と未来への無念さが胸に迫ります。

これらのシーンは、『火垂るの墓』が戦争の悲惨さを描く中で、人間の尊厳や家族の絆を深く考えさせる重要な場面です。

火垂るの墓が放送禁止になった理由は?

『火垂るの墓』が最後に地上波で放送されたのは、2018年4月13日です。この放送は、同年4月5日に亡くなった監督の高畑勲氏を追悼するため、日本テレビの「金曜ロードSHOW!」で行われました​ (WEBザテレビジョン)。

それ以降は全く放送されていません。

いったいなぜでしょうか?

まず、『火垂るの墓』が放送禁止になったという事実はありません。ただし、放送される頻度が減少したり、特定の理由で放送が見送られたりすることはあります。

その一因として挙げられるのは、内容が非常に重く、特に若年層にはショッキングであることから、放送する際には慎重にならざるを得ない点です。また、視聴者の反応や社会的な影響を考慮して、放送のタイミングや条件が厳しくなることもあります。

特に、戦争をテーマにした作品であるため、時期や社会情勢によっては放送を控えることがあるかもしれませんが、公式に「放送禁止」とされているわけではありません。

要は、各所からのクレームを恐れたテレビ局が放送を控えている。ということでしょう。

2005年には実写映画化もされている

実写映画版は2005年に日本で公開されました。この作品は、アニメ版と同じく、野坂昭如の原作小説を基にしていますが、映画版では清太と節子だけでなく、彼らの叔母の視点も取り入れ、より広い視点で物語が描かれています。

また、2013年には、NHKでテレビドラマとしても放送されました。このバージョンでは、戦争が家族に与える影響をさらに深く掘り下げた内容になっています。

2005年に公開された実写版『火垂るの墓』の主な出演者は以下の通りです。

吉武怜朗(清太役): 主人公である兄、清太を演じました。彼は戦争によって両親を失い、妹を守ろうと奮闘する少年の役です。

畠山彩奈(節子役): 清太の幼い妹、節子を演じました。彼女は無邪気でありながらも、戦争の過酷さに苦しむ子供の役です。

松坂慶子(清太と節子の叔母役): 清太と節子の母方の叔母を演じました。戦時中の厳しい状況にあって、二人に厳しく接する役柄です。

井上真央(美代役): 清太と節子の隣に住む少女、美代を演じました。このキャラクターは映画オリジナルで、二人を気にかける優しい人物です。

実写版は、アニメ版とは異なる視点や描写を加え、戦争の悲惨さを伝える作品となっています。

火垂るの墓を配信している動画配信サイトは?

火垂るの墓はNetflixやHuluなどの動画配信サービスでは、配信されていません。

TSUTAYA DISCASやゲオ宅配レンタルの利用をおすすめします。

火垂るの墓が放送禁止になった理由まとめ

今回リサーチした結果をまとめると、

・2018年4月13日から放送されていない。
・火垂るの墓が放送禁止という公式な発表はない。
・ショッキングな描写や内容のため、若年層への影響を考えてテレビ局が放送を避けている。
・火垂るの墓は動画配信サイトで配信されていないため、DVDを購入するかレンタルする必要がある。

確かに、小さい子供に見せることに抵抗があるかたも多いのではないでしょうか?

しかし、決して忘れてはいけない、戦争という事実を伝え続けていくためにも、夏休みにこの作品を放送することに大きな意味があるのではないでしょうか?

視聴率は期待できないのに、クレームが予想されるから放送しない。

たしかにテレビ局にはメリットがないのかもしれませんね・・・。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次